
合理的に経理・税務を行う第2回
~月に1回決算書を見る際のポイント~ アンケート結果発表
2009年02月27日

メディカルアイの「診療会議」では、開業医が診療に専念できる環境を整備するためのより良い方法を開業医の皆様とともに考えていきますが、今回は前回に引き続き、クリニック経営者として必要な経理・税務処理を効率的に行う方法についてご紹介します。
前回皆様にお願いしましたクイックアンケートの結果について報告いたします。このたびは993名の先生にご協力いただきました。どうもありがとうございました。
下記のグラフのとおり、月次決算書を毎月見ている医師の方はわずか34%であり、66%の方はあまり見ていらっしゃらないことがわかりました。診療でお忙しい中、決算書を毎月確認するのは難しいとは考えておりましたが、私どもにとっても予想外の結果でした。
その原因としては、忙しくてじっくり見ている時間がない、税理士さんの説明つきでないとよくわからない等があるかと思います。アットタックス社が記帳代行・税務申告サービスご契約の先生に毎月提供する月次決算書は、そのような医師の方に向けて提供されるサービスで、短時間で見るべきポイントを押さえた内容になっております。

それでは、アットタックス社がお勧めしている月次決算書を見る際のポイントを一緒に見てみましょう。 先生が、毎月かんたんにできる月次決算書でのチェックポイントは2つです。
下の図をご覧下さい。(損益計算書上、利益のあった個人クリニックを例に説明しております。)
■チェックポイント1: 月次の「現金増減額」を把握する 現金増減額とは、月次の医業収入に対して手元に残る現金の増減額、つまり
医業収益 - (変動費+固定費 - 減価償却費) - (借入返済等支出項目+生活費)
となります。増加だったのか減少だったのかをまず把握します。
■チェックポイント2: 大まかな資金繰りの安全性を確認する 次に、大まかな資金繰りの安全性をチェックします。現金増加だった場合、
(現金増加額+現預金額)> 総支出額の3ヶ月分
であれば、運転資金が十分確保されていると言えます。
また医業収益に対する限界利益率(赤矢印)や変動費率の健全性も計画値や前年同月値等と比較して経営状態を確認します。 現金減少だった場合、収益増や変動費削減、または資金調達等、業績内容に応じて、なんらかの対策をする必要性があることが分かります。

毎月短い時間でも、確認するポイントを理解しさえすれば、経営は必ず安定化していきます。改善に関しては先手に行うことが大切です。会計税務の専門家に相談しアドバイスを受けてみることをお勧めいたします。
今回ご紹介した、記帳代行・税務申告一括サービスの詳しい内容はこちらをご覧ください。(詳細ページへ)
次回は実際の医療機関での事例を用いてもう少し詳細な活用例をご紹介させていただきます。
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