

メディカルアイの「診療会議」では、開業医が診療に専念できる環境を整備するためのより良い方法を開業医の皆様とともに考えていきます。
3回シリーズでお送りする「レセプト・オンライン請求について考える」の第3回です。最終回は、医療コンサルタントとしてご活躍されている成松亮さん(株式会社NTTPCコミュニケーションズ勤務)から先生方へのアドバイスをお届けします。
山口: 最終回では、これからレセプト・オンライン請求をご検討される先生方へのアドバイスをお願いいたします。
成松氏: これまで下記2つのステップで考慮すべきポイントを説明してきました。
ステップ1:お使いのレセプトコンピュータでレセプト電算処理ができるか確認する
ステップ2:診療所の院内環境に合わせたネットワーク(回線)を選択する
ただ、院内の情報システム構築や最適な院内ネットワークの選定は、通常の診療業務と違って、先生方にとって必ずしも得意分野でないケースも多いと思います。また、業務が多忙で調べる時間すら十分にとれないかもしれません。そういう先生方にとっては、単に(例えばレセプトコンピュータだけを)売りっぱなしにしてしまうような業者ではなく、いわゆる「サービス」と捉え、診療所の業務プロセスの一環として提供してくれる業者を選ぶことが重要になると思います。いずれも相応の投資が必要になりますから、本当に診療所の業務プロセスが改善されるのか、従来と比べて保守やバージョンアップを含む費用は削減できているのかなど、診療所の経営者に欠かせない情報を正しく提示してくれるベンダを選ぶとよいでしょう。
山口: そうすると、複数の会社から話を聞き、比較検討することがポイントになりそうですね。診療所向けの情報システムやネットワーク構築を提供している会社はたくさんありますから。導入先の選択について何かアドバイスはありますか。
成松氏: 電子カルテを含む院内情報システム・ネットワーク構築は、コンピュータやネットワークを正しく管理するといった、これまでにない新しい仕事が生まれます。またその仕事の性質上、最新の技術動向を常に把握しておく必要もあります。先生方で対応できればそれでいいのですが、実際は時間的な制約もあり難しいでしょう。だからといって、新たに人を雇っていたのではコスト増につながります。そのような観点も考慮のうえ、開発・運用全体を提案してくれるベンダがいいのではないでしょうか。
山口: そうですね。最後に一言メッセージをお願いします。
成松氏: 私がみずから担当してきた経験から申し上げますと、院内の情報システム構築に成功される先生方は、「導入の目的」、具体的な「改善項目」、そしてその改善がどのようになれば導入の効果があったかという「評価項目」を事前に決めていらっしゃいます。その際に評価項目は定量的であるべきです。たとえば、レセプト・オンライン請求に伴って、電子カルテとレセプトコンピュータを導入した場合を想定して書くと下図のようなイメージになります。

これはあくまでも一部の例です。先に述べたようにじっくりベンダの担当者と話し合ってみてください。先生方がさらに診療に専念できるような情報システム・ネットワーク環境が構築できることを願っています。
山口: どうもありがとうございました。今回の特集が少しでも先生方のお役に立てればうれしいですね。
以上、いかがでしょうか。弊社にてご紹介しているネット型電子カルテ医歩ippoにも医事会計オプション(ORCA)をつけられます。レセプト・オンライン請求を機に院内の情報システム構築や見直しをお考えの方の参考になれば幸いです。次回は5月21日にお届けします。