

メディカルアイの「診療会議」では、開業医が診療に専念できる環境を整備するためのより良い方法を開業医の皆様とともに考えていきます。
先週は人材マネジメント策として、メディカルクラーク派遣のように人材を「外部化」する例をとりあげました。その一方で、下記のようにスタッフ向けの付加的なサービスについて、クイック・クエスチョンをつくり、お伺いしました。現在勤務中のスタッフのがんばりにクリニックとして報いたい、このまま長く勤め続けてもらえるインセンティブを導入したいという先生方に、今後新しいサービスを打ち出していければ、という思いから、実施したものです。今回は1259名の先生にご協力いただきました。ありがとうございます。

1、2ともに興味がない方は約2割で、8割の方が興味をもっていらっしゃることがわかりました。クイック・クエスチョンは3択ですので詳細はわかりませんが、いずれにも興味がないという先生は、単に興味がないという方と、内部スタッフ向けのインセンティブ策よりも人材の外部化がよいと考える方とに、分かれているのではないかと思います。
まず回答の1としてとりあげた「福利厚生サービス」ですが、大企業や大病院では当たり前のように採用されています。ホテルやフィットネスクラブ、レストランなどを割引価格で利用できるサービスが、夏季休暇時の家族サービスや日常の健康づくり等に活用されています。私も企業に勤務していた頃はこれを活用し、近所のフィットネスクラブに通ったり、温泉旅行を楽しんだりしていました。これらのサービスは1クリニックの数名単位で入会すると割高になります。そこで、私は「診療会議」を通じて、数名単位のクリニックをとりまとめて数百名規模の会員数で一つの単位とし、大企業並みのコストメリットを引き出そうと考えています。今回、519名という方に興味ありとご回答いただきましたので、これをベースにパートナー様とサービス内容を検討していきたいと思います。
回答2には、病気に患ったスタッフの医療費を補填するような少額保険をとりあげてみました。医療保険は入院保証に対するものが一般的で、通院での治療費を保証する保険はあまり見かけません。以前保険会社の社長さんにお話を伺ったところ、「通院を補償する保険は多頻度少額で事務処理コストが高い」、「入院と異なり、通院は個人の意思で簡単に治療を始められるので、病院にかかるほどではない軽症でも使ってしまうモラルハザードが心配」といった理由から、保険会社として積極的に取り組みにくいとのことでした。しかしながら医療に従事されている皆さんは当然疾病のリスクも高くなり、通院医療保険に対するニーズもまた高いものがあります。その点を質問すると、一般向けには困難でも医療従事者などに限定すれば、通院治療を保障する少額保険はありえる、とのことでした。最近そのような保険が、ようやく出てきたようです。
回答1の福利厚生サービスと2の少額保険に対する先生方のご関心が、ほぼ拮抗していたのは予想外でした。福利厚生サービスが、「簡単」「手軽」な人材マネジメント策で人気があるかなと思っていたのですが、医療現場ならではのご不安があり、その対策が求められていると感じました。今後このようなニーズをまとめて、保険会社と対話していく予定です。
クリニックのニーズをまとめて、民間サービス会社との出会いの場へつなげることが診療会議の狙いです。こんなサービスがあったらいいなというご意見も歓迎です。次回の配信は6月4日です。
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